うつ病九段 [読書ノート]
2019-11-10
どのような本か
- 将棋棋士である先崎学九段がうつ病を患った際の、1 年間の闘病生活を書いた記録
- 頭を使う棋士という仕事をしている人がうつ病になるとどうなってしまうのか、 どう感じるようになってしまうのかが時間軸に沿って生々しく綴られている
- (先崎学九段は現在は回復し、復帰されている)
手にとったきっかけ
- 自分は藤井聡太氏が登場した 2017 年頃から将棋の対局動画をよく観るようになった
- 観始めると、純粋な頭脳戦である完全情報ゲームを仕事とする棋士は凄いなと実感し、次第に将棋のファンになってきた
- (好きな棋士は語り口が軽妙な、木村一基九段と藤井猛九段)
- 生けるレジェンドである羽生さんの本を読んだりもした:
- 将棋に関心を持っていたので、「うつ病九段」というこの書籍の情報も目に入ってきた
- この本を知った当時は自分も生活と仕事の悩みが多い時期であり、
「ああ、この精神的ストレスが高まると、この先にうつ病があるのだな」 という実感を持ち始めた時期だった
- そのため、うつ病というのも他人事ではないなと思い本書を読んだ
印象に残ったところ
- プロ棋士の人でもうつ病にかかると、七手詰めの詰将棋ですら解けなくなるという事実
- うつ病になると(悪い意味で)退屈を感じられなくなるらしい
- 散歩することはうつ病の治療には良い薬になる
感想
- ある種の頭脳労働を一線で行うプロ棋士の人がうつ病と向き合った記録として、本書は貴重な内容だった
- 自分はエンジニアなので、読みながら 「もし自分がプログラムを書けなくなったら」 と考えてゾッとした
- うつ病はもはや誰にとっても降りかかる可能性のある現代病だろう
- 実際に精神が参ってしまった人には、この本に書いてある内容(そして時間をかけて回復したという結果)は、 共感や安心感を与えるものになりそうだ
- 今の時代、生きる上でメンタルのケアは優先事項だな… と再認識した